執拗に愛されて、愛して
「待って、本当にでも今は恋愛どころじゃなくて。雅とも向き合える状態じゃないし、そもそも別れて5年も経っていれば好きかも分からないのよ。」

「好きかどうかなんていいよ。俺が夏帆と付き合いたいだけ。」


 そう言いながら耳元にキスをする。

 こいつ、このまま流してうんって言わすつもりだ!もうその作戦には乗らない。と奴の胸元を強めに押す。


「待って!ていうか、私が落ちないから面白がってるだけで好きとかそういうのないでしょ。」

「好きだつってんだろボケ。」

「ぼ、ボケって。好きな子に言う言葉じゃないでしょ。」


 ああ、何で毎度こんなくだらない言い合いを起こしてしまうのか。

 嘘でしょ、嘘だって言って欲しい。そんな事言われたらこっちまで本気で考えなきゃいけなくなってしまうから。

 こんなことになるなら、こんなくだらない賭けに乗るんじゃなかったと、数分前の自分を殴りたくなるぐらいには後悔した。

 それから雅を見ると、目が合うなり微笑みかけられて、慌てて目線を逸らす。
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