君と始める最後の恋
　先輩の瞳の奥が随分揺れている気がして、気になってしまう。

　何を考えているか相変わらずわからないから、どういう意味の発言で何を示してるのかわからない。


「先輩。何の話ですか。」

「君、何も覚えてないの、飲み会中のこと。」

「覚えてないです、何の話ですか。私なにかやらかしちゃってました？」


　そう問いかけると先輩が言葉に悩んでいる様な、それでいて苛立ってる様子。こんな風にイライラしている先輩が珍しい気がするが、なぜ怒っているか分からないので、どう言葉を掛けていいか分からなかった。

　部屋の空気はどこか気まずく、重たい。

　私が口を開けずにいると、無言を破る様に先輩が口を開く。


「小川、君のこと好きだよね。」


　そんな信じられない言葉を聞いて困惑をした。
　小川くんが私を好きな様には自分からは見えなかったからだ。


「え、ええ？そんな事無いと思いますけど。」

「おまけに鈍感、本当ムカつく。」


　ムカつくのは私の方だ、何が言いたい。さっきから何に苛立たれてるのか。先輩のこと理解したいって思ってても今日の事だけは本当にわからない。

　小川くんが私を好きなんてありえないと思うし、大体小川くんが私を好きなのであればどうして、先輩が怒る理由になるのか。
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