君と始める最後の恋
「良いんです、その内君が補佐で良かったよって泣かせてやりますから。」

「君みたいなポンコツが補佐じゃなかったらも有り得そうだけど。」

「あ、言いましたね。絶対泣かせてみせます。」


 最近私の事を楽しそうに揶揄う先輩。

 最近ほんの少しだけど和やかな雰囲気で、笑みを零してくれる先輩に少しずつ仲良くなれている実感が湧いてくる。

 前までは二人きりは気まずいなんて思っていたのにいつからか私もそんな感情はどこかに消えていた。





𓂃𓈒𓂂𓏸





 その日たまたま遅くなった帰り道。

 先会社出るからと早々と一ノ瀬先輩は退勤していった。

 その為、1人で少しだけ残業して遅くなってしまった。いつもなら疲れてまっすぐ帰宅するが、今日は会社から少し外れた商店街にある書店に寄っていた。


「(今日発売の漫画が出てるはず。)」


 そう思いながら寄った書店で、お目当ての漫画もゲットして帰宅しようとしてた時だった。

 見慣れた細身の黒髪サラサラヘアーを見つけた。


「(一ノ瀬先輩?)」


 その隣に小柄でロングヘアーの女性が並んでる。

 何となく声掛けずらい雰囲気だし、見なかった振りをしようかどうしようか悩んでいる時だった。

 一ノ瀬先輩の腕を女性がグイッと引っ張ってこちらに振り返り歩いてくる。


「(やば、見つかっちゃう。)」


 どう隠れようか考えた結果自分の鞄を盾にひとまず顔を隠すということしか思い浮かばなかった。

 そして当然…


「何してんの、そこの変人。」


 と声を掛けられてしまう。

 デ、デスヨネー。
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