君と始める最後の恋
 私の気持ちなんて知る由もない先輩が白羽さんの方を見て声を掛ける。


「沙羅、そろそろ兄さんと待ち合わせじゃないの。」

「はっ、そうだった!色々話聞きたかったのに…、また今度お会いしましょうね!」


 白羽さんは私の手を掴んで優しく笑いかけてくれる。私も上手く笑えていたかは分からないけど「はい、ぜひ」と今出来る限りの笑顔で返事をするのが精一杯だった。

 恋人ですか、なんて軽々しく聞いちゃいけなかったんじゃないか。と、あの時は知らなかったと言え、後悔が増していく。


「それじゃあ、類くん。今日はプレゼント選ぶの手伝ってくれてありがとうね!また今度!」

「うん。転ばないでよ。」

「もう!子供じゃないんだから!」


 そう言いながら立ち去っていく白羽さんの背を見送る一ノ瀬先輩。それから私の顔に目を向けると「変な顔」とふっと少しだけ笑みを零して言った。

 だって、何と言っていいか分からない。

 気付いてしまったから、一ノ瀬先輩の気持ちに。
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