君と始める最後の恋
終わる秘密の関係
 それから2ヶ月と少し経った頃だった。もう少しで新年度に切り替わるそんな季節。

 私の住んでいる場所が遂に変わった。最近類くんの家へ引っ越しが終わり、私はこれから上司に報告へ行かなければならない。それと総務課にも…。

 もうすぐ類くんの補佐から卒業になる。約3年長かった様な短かった様なそんな感覚だ。

 類くんの方をちらっと見ると、その視線に気付いたのか類くんもこちらを見る。


「何、もう行くの。」

「はい、忙しくなる前に行こうかなって思ってるんですけど、緊張しちゃって。」

「何で、別に普通に報告するだけでしょ。」


 そう言いながら類くんがデスクから立ち上がると、課長の方へ歩いていく。


「え、待って、先輩!?」


 何故か行こうとしてた私が置いていかれる展開に少しびっくりしてしまった。

 こういう行動力どこから湧くの!?と、時々類くんには凄く驚かされてしまう。
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