君と始める最後の恋
 週末、家で動画を見ながら準備をしていた。

 いつもはボブカットくらいの髪の長さを下ろしている時が多いけれど、今日は後ろでひとつ結びにしてみる。

 段々と暑くなってきていて、鬱陶しくなってきたし髪もショートくらいの長さまで切ってしまおうか。

 学生時代は元カレがロングが好きとか言うから伸ばしたりもしてたんだけど、別れてから1度ショートカットにしてそれからはボブからセミロングくらいの髪の長さを行ったり来たりしている。

 その時元カレと別れたのは大学の関係で遠距離になるからとかだったけど。


「(…余計な事思い出した。)」


 鏡の前で自分の顔を見て、今日はうまく笑えるのか自信がなかった。

 遠出って言ってたから、かなりの長い時間一緒に居る事になる?

 スマホの画面が光ったのを見ると、一ノ瀬先輩から連絡が入っていた。


«着いた。»


 そう連絡が来たのを見て«今降りますね»と返して、昨日の内に買って置いた飲み物と向こうで食べるフルーツを冷蔵庫から出して、車の中で食べるお菓子と自分のハンドバッグを持って外に出る。

 普通に食べても汚れない物、匂いが付かない物を買ったつもりだけど車内で食べてほしくない人とかだったら迷惑だったかな…。

 そう思いつつ下に降りると一ノ瀬先輩が白いセダンタイプの車の前で待っていた。

 白いシャツに黒いスキニーパンツ、その上に黒のオープンカラーシャツを着ていてそんなシンプルな着こなしなのにスタイルが良くて似合っていて格好良い。

 一ノ瀬先輩がこちらに気付くと私の荷物の多さを見てか寄ってきてくれる。


「おはよ、すごい荷物。」

「おはようございます。こっちは向こうでのお土産。こっちは今日せめて乗せて頂くお礼にと思ったのですが車内飲食禁止だったりします?」

「別にそんな事無いけど…、わざわざ買ってきてくれたの?」

「これくらいは当然です!」

「あー、じゃあその飲み物とかは帰りのが良いかも。俺も買ってきちゃった。」


 そう言いながら私の手から重たい荷物を取って車に詰んでくれる。

 買ってきちゃったとは…?
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