君と始める最後の恋
 日曜日の昼、約束の時間13時にお気に入りのワンピースを着て待ち合わせ場所で待つ。

 駅前は相変わらず人が多くてすぐに見つけられるか心配になる。きょろきょろと見渡しても先輩の姿は見当たらない。まだ来ていないかな。

 その間に鞄から手鏡を取り出して、前髪を整えたり身だしなみチェックをする。そうしていると「すみません、少し聞きたいんですけど」と知らない男性に突然声を掛けられた。


「はい?」

「近くのカフェに行きたいんですけど、どこか良い店ありますか?」

「えっと、それならここ真っすぐ進んで、2つ目の信号を渡って右側に行って…。」

「良ければ案内してもらえませんか?道覚えられ無さそうで…。」


 なんて言いながら距離を詰めてくる。

 少し違和感を感じたけど、本当に困っている感じだしとスマホを取り出そうとした。

 一ノ瀬先輩に少し遅れると連絡しておかないと。


「今連れと待ち合わせをしてて連絡だけ入れても良いですか?」

「大丈夫です。それにしてもお姉さん可愛いですよね。この辺の人ですか?」


 可愛いとか、プライベートな事を聞いてくる様子に違和感が強まっていく。
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