ぜんぶ、ちょうだい。



「相変わらず、にこりともしてくれないんだけど?」



泉先輩のことを思い出して、ちょっとだけ、ため息。


でも、隣のひまちゃんがすかさず言う。



「でも、喋ってくれるようになったじゃーん! これで、無口の壁は突破したねっ!」



……確かにっ。


最近、普通に喋ってくれる。名前も呼んでくれる。髪型にも気づいてくれた。


それだけで、舞い上がってたのに――


忘れてた。最初は、目も合わなかったんだよね。


初心を大事にしないと。うん、そうだよね。



「大体さ、泉先輩と付き合うなんて人類100年早いからね? もっと時間かかると思ってないとだめだよ」

「うっ……!」



ごもっとも。 ひまり様のいう通りですっ……!


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