キミを好きになるまで、あと10秒
「……花咲さんも、こっち?」成瀬くんが振り返り、少しだけ眉をひそめる。

言葉は少なかったが、どこか警戒心を感じさせる口調だった。

「え、う、うん。駅まで……」ひよりは緊張しながら答えた。

「ふーん……じゃあ、一緒に帰るか」短くそう言うと、成瀬くんは少し距離を詰めて歩き出した。

彼の無表情の奥に、わずかな不安が見え隠れする。


隣を歩く成瀬くんは、女性と話すのが苦手なことを隠している。

だけど、ひよりにだけは、少しずつ心を開き始めているのかもしれない。


ひよりもまた、そんな彼の姿に惹かれていく自分を抑えきれなかった。


夕暮れの風が二人の間をそっと吹き抜けていく。
< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

溺愛王子は今日も捕まえ逃さない
Saya/著

総文字数/0

恋愛(キケン・ダーク)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「……ねえ、俺以外の男を見る余裕、まだあるの?」 学校一のモテ男子が隠していたのは、激重で甘すぎる独占欲――。 王道モテ男子 × 愛され女子の、世界で一番愛される溺愛ストーリー。 「お前は俺だけに甘やかされてればいいの」 誰にでも優しいわけじゃない。 クールなあの人が、私にだけ見せる熱い視線と甘い声。 恋に鈍感な女の子と、彼女を溺愛してやまない王子様。 高校の廊下ですれ違うドキドキの瞬間から、 世界で一番幸せな「お嫁さん」になる未来まで――。 読むだけで心臓がもたない、極甘ハッピーエンドをあなたに。 「ずっと隣にいてよ。……離すつもり、最初からないから」 二人の甘すぎる愛の軌跡を、今すぐめくってみませんか?
期間限定カノジョはお断りです!
Saya/著

総文字数/4,736

恋愛(ラブコメ)20ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
春、高校二年生。 白石紗奈の平凡な学校生活は、学年一モテる男子・一ノ瀬瞬の一言で一変した。 「紗奈、俺の彼女になって。期間限定で」 告白避けのために、“偽装カップル”を頼まれた紗奈。 最初は絶対に断るつもりだったのに、気づけば放課後も、帰り道も、学校中の視線も全部瞬くんと一緒で――!? からかわれて、振り回されて、時々ずるいくらい優しくされる。 「紗奈って、ほんと反応わかりやすい」 そんなふうに笑う瞬くんに、少しずつ心を乱されていく。 でもこれは、あくまで“フリ”の恋人関係。 本気になったら終わりのはずなのに。 近づくたびにドキドキして、名前を呼ばれるだけで嬉しくなる。 ――この気持ちは、いつから“フリ”じゃなくなったんだろう。 胸キュンたっぷりの、青春ラブコメ開幕!
死の投票
Saya/著

総文字数/4,936

ホラー・オカルト17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
高校2年生の桜井綾のクラスに、ある日突然謎のスマホゲームアプリ「The Class」が届く。 ゲームのルールは恐ろしい――毎日、匿名アンケートで「脱落者」を決め、選ばれた者は現実世界で死を迎える。 ゲームは「残り5名」になるまで終わらない。命の灯火が一人、また一人と消されていく。 最初は悪質な悪戯だと笑っていたクラスメイトたちも、次々と起こる不可解な死に恐怖に凍りつく。 仲間を疑い、信じられなくなる中、桜井綾は幼なじみの飯島隼人、親友の一ノ瀬愛結と共に、ゲームの正体と裏に隠された闇を追い始める。 だが、生き残るための謎解きと心理戦が激化するほど、クラスの絆は崩壊していき、 いつしか彼女たちは、ゲームの真の目的と、逃れられない絶望に立ち向かわなければならなくなる。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop