推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
「そっか、ごめんね。」
佑月さんに、映画の主演が流れたことを伝えると、佑月さんは僕に謝った。
「でも、いくらなんでも、おかしいと思うんです。」
膝の上で握りしめる手が震える。
「何もおかしくないよ。」
「でも、だって」
「もういいよ。」
佑月さんが俺を諭すように言う。
「俺は…っ」握りしめる手に力を込める。「俺は、佑月さんには借りがありますっ。」
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