推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


その言葉にはきっといろんな気持ちが隠されている。


佑月くんが犠牲にしたものってどれだけあるんだろう。私たちにとって当たり前の日常、それが当たり前じゃないってどんな感覚なんだろう。
「アイドルになってくれてありがとうございます。」
私が言うと、佑月くんが、私を見る。
声は、少し震えた。私は、恥ずかしくて、佑月くんの目が見れない。


「って、思ってる人私以外にもたくさん、います。」


佑月くんの瞳が一瞬揺れる。それから、頬を緩ませて、「ありがとう」って言った。


佑月くんがブラインドを閉めて、ソファに深く腰かける。
「寝られないんだったら、お話しよう。」
いいんだろうか、佑月くんは、疲れてないのかな。
「お話ししたい。」佑月くんが付け足すように言って、笑った。


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