電車の向こう側。【完結】
放課後。
夕焼けが校舎をオレンジ色に染めていた。
茉希は机の上で頬杖をついて、未来をじっと見ていた。
「ねぇ、今日こそ寄り道しようよ。カフェ、まだ行ってないじゃん!」
「……うん。」
「え、ほんとに?」
「うん。今日は行ってもいい気がする。」
「やっと心を開いたか、“平凡教”の教祖様」
「だからその呼び方やめてよー。」
「ダメ、定着しちゃったしー。」
二人は笑い合った。
校門を出ると、風が少し冷たくなっていた。
秋の匂いが、どこか懐かしい。