うちの生徒会長は今日も読めない




「美味しかった……」




ご飯を食べに入った定食屋を後にして、わたしは息をついてしみじみと呟いた。

サバの味噌煮定食、めちゃくちゃ美味でございました。




「本当に好きなんだなサバの味噌煮」


「は、はい」




どうやら会長は、いつだったかにわたしが話した好物のことを覚えていてこの店に連れてきてくれたらしい。

嬉しいと同時に、そんなちょっとした会話までしっかり覚えられているのは気恥ずかしいものがある。




「じゃあ次はあっちに行くぞ」


「も、もちろんどこでもお供します」


「はっ、何だそれ」




そして先ほどから少し思っていたことがある。

今日の会長、何だかめちゃくちゃ機嫌が良い。



……ううん、違うな。正確に言えば、一時間ほど前からさらに上機嫌になった。

一時間ほど前──演劇のグッズコーナーで例の美少女に会って、彼女に「デートですか?」と勘違いされたあたりから。


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