うちの生徒会長は今日も読めない



話を聞いていた木坂先輩は、何とも言えない微妙な表情を浮かべた。


やっぱりこういう始まり方はあまり印象が良くないのだろう。

わたしだって最初はどうかと思った。

でも……今、この関係を解消したいかと問われたら、別にそんなことはないと答える。


これが恋愛感情なのかと聞かれたらまだよくわからないけれど、会長の隣で過ごす時間が楽しいと思えるのは確かだから。




「あ、わたし教室に忘れ物してきたので取ってきますね」




そんな話を続けるのは少し気恥ずかしくて、わたしはそんな嘘をつく。

木坂先輩に会釈して生徒会室を飛び出す。


手には、会長に渡す分のチョコマカロン。

上手くいけば、打ち合わせを終えたところを捕まえられるかもしれない。





──だけど結局、会長とはこのまま会えずにすれ違うこととなる。




さらに言えば、このマカロンが会長の手に渡ることもなかった。




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