溺愛しないで、お隣さん
「鍵…無くしちゃって」



そう伝えるとその人はまためんどくさそうな目をしてから電話をかけ始めた。



「もしもし、なんか隣の人が鍵ないらしいんですけど」



明らかに不機嫌そうな声で誰かと話している。



げげっ、この人がお隣さん?



やっぱり私はついてない。



こんなのがお隣さんとか安心して暮らせないじゃん。




「うーわめっちゃ目真っ赤」



数分の電話が終わるとその人は私の顔を覗きこんでから鼻で笑う。



さ、さいてー!!



性格が悪いイケメンなんて嫌い!



そして、その人はそのまま自分の家に帰っていった。



え?捨てられた?



期待させて落とすタイプか…。



なんかもう色々ありすぎてこんなことでは涙が出てこない。



でもそのまま座り込んでいるとその人は案外早く戻ってきた。



まさか戻ってきてくれるとは思わず少し焦る。



「これ」


ほぼ無言でさしだされたのは保冷剤。
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