転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「エルから離れなさい!」
私は落ちていた小石を拾い、魔獣に投げつけた。
ほとんど狙いも定めずただ投げただけだというのに、運がいいのか悪いのかそれは魔獣の赤い目のすぐ近くにぶつかった。
『ギャゥウ!』
思わぬところから攻撃を受け、魔獣は悲鳴を上げてエルヴィンの腕を離すと私をギラリと睨みつけた。
標的がエルヴィンから私に変わったのだ。
私はせめての目くらましと牽制のため精一杯大きな水球をつくりだし、マリアンネを背に魔獣を睨みつけた。
魔獣がこちらにむけて駆けてくる。
「お嬢! マリー!」
エルヴィンの悲鳴が響いたその次の瞬間。
魔獣の後ろから黒い紐のようなものが伸びてきて、魔獣の体に巻き付いた。
そして、紐が触れているところから魔獣の体はすっぱりと切断され、五分割くらいになって地面にボトボトと落ちた。
目の前でなにが起きたのかわからず唖然としていると、なにやら黒いものが動いているのが視界の端に映った。
また魔獣か⁉ と思い私は身構えたが、すぐにそうではないとわかった。
「……エ……エル……?」
そこにいたのは、驚愕の表情のエルヴィンだった。
ただし、姿がさっきまでと大きく違っている。
すべすべで真っ白だった肌は褐色に染まり、澄んだ青い瞳は金色にギラギラと輝いている。
そして、背中には烏のような黒い翼。
魔獣に噛まれて血に濡れた手には、翼と同じ色の紐のようなものがある。
よくわからないが、きっとこれがさっき魔獣を切断したのだ。
私は落ちていた小石を拾い、魔獣に投げつけた。
ほとんど狙いも定めずただ投げただけだというのに、運がいいのか悪いのかそれは魔獣の赤い目のすぐ近くにぶつかった。
『ギャゥウ!』
思わぬところから攻撃を受け、魔獣は悲鳴を上げてエルヴィンの腕を離すと私をギラリと睨みつけた。
標的がエルヴィンから私に変わったのだ。
私はせめての目くらましと牽制のため精一杯大きな水球をつくりだし、マリアンネを背に魔獣を睨みつけた。
魔獣がこちらにむけて駆けてくる。
「お嬢! マリー!」
エルヴィンの悲鳴が響いたその次の瞬間。
魔獣の後ろから黒い紐のようなものが伸びてきて、魔獣の体に巻き付いた。
そして、紐が触れているところから魔獣の体はすっぱりと切断され、五分割くらいになって地面にボトボトと落ちた。
目の前でなにが起きたのかわからず唖然としていると、なにやら黒いものが動いているのが視界の端に映った。
また魔獣か⁉ と思い私は身構えたが、すぐにそうではないとわかった。
「……エ……エル……?」
そこにいたのは、驚愕の表情のエルヴィンだった。
ただし、姿がさっきまでと大きく違っている。
すべすべで真っ白だった肌は褐色に染まり、澄んだ青い瞳は金色にギラギラと輝いている。
そして、背中には烏のような黒い翼。
魔獣に噛まれて血に濡れた手には、翼と同じ色の紐のようなものがある。
よくわからないが、きっとこれがさっき魔獣を切断したのだ。