俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「ねぇ、私の本音を聞き出してどうしたいの? まさかとは思うけど、青春映画のように喧嘩して理解し合って仲直り、そんな非現実的な展開を期待していないわよね?」

(き、期待してました……)

作戦を読まれた上に失敗してしまい、「すみません」と小声で謝った。

なぜか劣勢に立たされて目を泳がせた時、ノックもなくドアが開けられた。

険しい顔で入ってきたのは黒見で、梨乃と宇津木の目が同時に見開かれる。

(あっ、今日が帰国日だ。戻ってすぐに出社したのかも。でも、どうしてここに?)

あちこちの部署のミーティングに顔を出すのは彼の常だが、退社時間が過ぎているのに社内を回らないだろう。

後ろ手にドアを閉めた彼が梨乃の斜め前に立った。

「なぜ被害者のお前が謝るんだ」

こちらの事情をわかっているような言い方に驚いて、すぐには返事ができない。

(嫌がらせされていたのを知ってるみたいだけど、どうして?)

宇津木に視線を移すと、今までとは違い強い焦りを表情に滲ませていた。

「宮内さん、卑怯だわ。私をはめたのね?」

本音を言わせたのは黒見に聞かせるためだと勘違いしているようだ。

梨乃が否定する前に黒見が低い声で言う。

「お前たちがここで話し合いをしているのは、マーケティング部の木村から聞いた。卑怯なのは、同僚の業務を故意に妨害したお前の方だろ」

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