Powdery Snow

時間が経ったのかアスファルトは雪で白くなっている。

髪の毛にそっと触れると雪が溶けて微かに濡れていた。 


マフラーからはみ出した髪の毛の毛先から溶けた雪水が落ちる。


寒い。帰ろ…

そう思った時だった…






「えっ…」


立ち尽くしているあたしの手の平にほんのりとした温かさを感じ、あたしは思わず視線を落とす。



…ミルクティー。


思わず顔を上げると目の前に口元の端を上げて微笑むさっきの男が立っていた。 


「やる」


そう、一言だけ告げて男はあたしに背を向けて歩きだした。 


その動いていた足はピタッと止まり、男は後ろを向いて口を開いた。



「貰ってもねぇし、食ったのお前のんだけ」



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