Powdery Snow
「おいっ、無視かよ」
背後から飛んできた声など当たり前に無視をし、あたしは教室へと向かった。
教室に入るなり、目に飛び込んだのは、相変わらずお菓子好きな絵梨佳の姿。
ポッキーのパッケージを見つめながら口の中に詰め込んでいく。
そんな姿を見ながら“本当、お菓子好きだな”って思いながら絵梨佳の机を囲むようにして座る。
「あっ、亜希。あれ?もしかして見つかったの?」
あたしの手にマフラーが無いことに気付き、絵梨佳は首を傾げる。
「うん。居たよ」
「ねぇねぇ、どんな人?」
目の前にいる絵梨佳は、ここぞと言うばかりの笑みであたしの腕をツンツン突く。