Powdery Snow
「ってかさ、あたしがもっとも苦手とする男は…」
「年下でしょ?」
あたしの続きをズバッと絵梨佳が答え、机に置いているチョコレートを口に運ぶ。
“亜希も食べれば?”と言うように、あたしの目の前にチョコレートの箱を差し出す。
首を振るあたしに絵梨佳は不満げに元の位置に箱を置き「でっ、」と声を出した。
「どこが好きなの?」
あたしは思わず目を見開き「はぁ?」と声を上げる。
「だから、さっき言ったじゃん。ありえないって…聞いてなかったの?強引にチョコは食べるし、性格悪すぎって言ったら、お前に言われたくねぇって言われたんだよ。
しかも呼び捨てだよ…ありえないし。女とベッタリしてて浮かれている男の何処を好きになれってわけ?」