Powdery Snow
ニコニコした顔であたしの顔を覗き込み、頬をツンツンとつっついてくる。
時々、頬をビョーンって引っ張る絵梨佳が何だかムカついた。
ムカついたと言うのは“イラついてんの?”って笑顔で言われた事。
ってか、何であたしはイラついてるの?
たかがあの女に?
あの年下男に?
だけど、訳の分からない、この胸の騒めきにもっと苛立つ。
「あっ、亜希いたいた」
後ろのドアからあたしを呼ぶ声が聞こえ、ゆっくり振り向くと淳が教室の中に入り込んでいた。
「あっ、淳じゃん。さっきジュースありがとね」
「あぁ」
ニコッと微笑む絵梨佳の顔を見て、ふと思った。