縁結びの神様、恋を知る
ご飯ができるまでの間、ゴロゴロと自室で漫画を読んでいたら、文机の上に乗ってある茶封筒が目に入った。
「……?」
その茶封筒は少し分厚いくらいで、多分、紙束でも入っているんだと思う。
その紙束を見た瞬間、私は凍りついた。
『楽しい楽しい中間課題!頑張ってね〜』と書かれたメモ用紙と白紙のレポート用紙。
「ちゅ、中間課題!?」
私は悲鳴を上げながら立ち上がった。
「え、今!?なんで!?こっちに来てる間は“休学扱い”って聞いてたのに!!」
私の叫び声に、台所から「五月蝿い!」と紗霧様の怒号が返ってくる。
私は封筒を片手に、バタバタと居間へ突入した。
湯気の立つ鍋の前で、紗霧様がゆっくりと振り向く。
「……ああ、それか」
「知ってたの!?!?」
「今日高天原に行った時に常磐から渡されたからな」
「何で今更!?」
「時期だろう」
「そんな身も蓋もない答え!!」
私が頭を抱える横で、康親様はちゃぶ台に頬杖をつきながら笑っている。
「中間課題ってアレでしょ?現し世での信仰心観察レポート」
「何で知ってるの!?」
「だって僕も昔出したもん。まぁ僕が在籍してたの百年以上前なんだけどね」
「ど、どうだった?」
「内容がふざけすぎて再提出」
「全然参考にならない意見、ありがとう」
ちゃぶ台の上にドサッと課題のレポート用紙を広げる。
そこには『現し世における信仰対象の観察・記録・考察』と書かれていた。
「つまり、誰かに“信仰”されてる神様の観察をしろってこと?」
「そういうことだろう」
翡翠様が湯呑を片手に言う。
「ちなみに、人間に神だとバレたら停学だと」
ほら、と指さされたレポート用紙の注意事項に『神ってことバレたら三日間の停学と反省文。僕は減給されるから、担任を救うと思って頑張って〜』と書かれていた。
「えっ!?そんなのどうやって観察すれば良いの?」
「それを考えるのが課題なんだろ」
「トキティーの馬鹿ー!!!」
私と翡翠様のやり取りを見ながら康親様がクスクスと笑いながら、「でも、今までバレていないんでしょ?じゃあ大丈夫だよ〜」と呑気に言う。
(意識したら無理なタイプなんだよ......私は!!)
私の心の叫びが居間に響き渡る中、ポケットの中でスマホがブルッと震えた。
見ると、『高天原学園・二年A組グルチャ』からの通知。
嫌な予感しかしない。
《みんな届いた?中間課題》
《てかこれ、去年の先輩達が全滅したやつじゃん》
《トキティー今年もノリノリだったらしいよ》
《提出期限は来月までだからなー!忘れるなよ、特に三馬鹿組!!》
(あー、課題やらなきゃダメなやつか......)
思わず、スマホを握りしめた。
そのすぐ横で、康親様が「学生って大変だねぇ」とのんびり笑っている。
とりあえず、スマホを操作してグルチャに『みんな課題頑張ろ......』というメッセージを送る。すぐに何人かの既読が付き、返ってきたのは簡略化された三毛猫がOKと書かれた札を上げているスタンプだった。
「……?」
その茶封筒は少し分厚いくらいで、多分、紙束でも入っているんだと思う。
その紙束を見た瞬間、私は凍りついた。
『楽しい楽しい中間課題!頑張ってね〜』と書かれたメモ用紙と白紙のレポート用紙。
「ちゅ、中間課題!?」
私は悲鳴を上げながら立ち上がった。
「え、今!?なんで!?こっちに来てる間は“休学扱い”って聞いてたのに!!」
私の叫び声に、台所から「五月蝿い!」と紗霧様の怒号が返ってくる。
私は封筒を片手に、バタバタと居間へ突入した。
湯気の立つ鍋の前で、紗霧様がゆっくりと振り向く。
「……ああ、それか」
「知ってたの!?!?」
「今日高天原に行った時に常磐から渡されたからな」
「何で今更!?」
「時期だろう」
「そんな身も蓋もない答え!!」
私が頭を抱える横で、康親様はちゃぶ台に頬杖をつきながら笑っている。
「中間課題ってアレでしょ?現し世での信仰心観察レポート」
「何で知ってるの!?」
「だって僕も昔出したもん。まぁ僕が在籍してたの百年以上前なんだけどね」
「ど、どうだった?」
「内容がふざけすぎて再提出」
「全然参考にならない意見、ありがとう」
ちゃぶ台の上にドサッと課題のレポート用紙を広げる。
そこには『現し世における信仰対象の観察・記録・考察』と書かれていた。
「つまり、誰かに“信仰”されてる神様の観察をしろってこと?」
「そういうことだろう」
翡翠様が湯呑を片手に言う。
「ちなみに、人間に神だとバレたら停学だと」
ほら、と指さされたレポート用紙の注意事項に『神ってことバレたら三日間の停学と反省文。僕は減給されるから、担任を救うと思って頑張って〜』と書かれていた。
「えっ!?そんなのどうやって観察すれば良いの?」
「それを考えるのが課題なんだろ」
「トキティーの馬鹿ー!!!」
私と翡翠様のやり取りを見ながら康親様がクスクスと笑いながら、「でも、今までバレていないんでしょ?じゃあ大丈夫だよ〜」と呑気に言う。
(意識したら無理なタイプなんだよ......私は!!)
私の心の叫びが居間に響き渡る中、ポケットの中でスマホがブルッと震えた。
見ると、『高天原学園・二年A組グルチャ』からの通知。
嫌な予感しかしない。
《みんな届いた?中間課題》
《てかこれ、去年の先輩達が全滅したやつじゃん》
《トキティー今年もノリノリだったらしいよ》
《提出期限は来月までだからなー!忘れるなよ、特に三馬鹿組!!》
(あー、課題やらなきゃダメなやつか......)
思わず、スマホを握りしめた。
そのすぐ横で、康親様が「学生って大変だねぇ」とのんびり笑っている。
とりあえず、スマホを操作してグルチャに『みんな課題頑張ろ......』というメッセージを送る。すぐに何人かの既読が付き、返ってきたのは簡略化された三毛猫がOKと書かれた札を上げているスタンプだった。