目が覚めたら、ロンドンでした。


数日後、美月の知っている小説通り、アイリーンはロンドンを去った。


 新聞に載った彼女の名前を見て、ホームズはただ一言――



「……彼女は、見事だ」
 とだけ呟いた。




 その横顔には、淡い光が差していた。
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