目が覚めたら、ロンドンでした。
ホームズの声が鋭く響いた。
その瞬間、部屋の空気が凍りついたようだった。
「これは私の仕事だ。君は関わるべきではない。」
ホームズの瞳には、感情の影が一瞬よぎった。
けれどその奥に、いつもの鉄のような理性が戻っていた。
美月は唇を噛んだ。
「……分かりました。」
小さな声でそう言って、部屋を出た。
扉の閉まる音が静かに響く。
残されたホームズは、指先で自分の眉間を押さえた。
「……守るとは、難しい言葉だな。」