目が覚めたら、ロンドンでした。
その言葉に、美月の胸が熱くなった。
でも同時に、少しだけ泣きそうになった。
「……そこは、“好きだ”って言ってくれないんでね……。」
美月が笑いながらつぶやくと、ホームズはふっと目を細めた。
「……うるさい口は、もう一度塞ぐぞ。」
「そ、それ脅しですよね!?」
「予告だ」
「やめてくださいっ!!」
二人のやり取りに、静かな部屋がふっと温かくなる。
笑い合うその瞬間、どちらの頬も少しだけ赤かった。