さよならは言わない。  〜あなたと最初で最後の恋をした〜

退屈。

はぁ…
目が覚めるといつも病室の天井。
「もう見飽きたって………」
いつもいつもおんなじことの繰り返し。
どうせ病気だって治らないんだ。
「あーぁー私このまま消えちゃうのかなぁ」
声に出したって答えが返ってくるわけもない。
生きる意味を探すのもそろそろ疲れてきたよ。
隣のベットは誰もいない。
話し相手すらいない私はどうすればいいのだろう。
お父さんやお母さんは仕事でいつも忙しい。
お見舞いに来てくれる人なんて…………
そんなことを考えてると
「ライカちゃん。おはよう」
「おはようございます。」
今挨拶をしてくれたのは私の面倒をずっと見てくれている看護師、橘さんだ。
この人だけは私を裏切らない。
医者なんて大丈夫って言ってさえいればいいって、安心してくれるって思ってる。
そんなわけない。
実際に聞いちゃったんだから。
私がまだ学校に行けてたころ学校で急に倒れちゃって。
医者はすぐ治るからって、大丈夫って言ってた。
でも本当は治らなかったみたい。
手遅れだったんだって。
病気の名前は。
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