たどり着いた先は、ロンドンでした。
「ねぇ、ホームズさん。そんなに見つめてたら、私、ページ間違えちゃいますよ?」
「観察だ。」
「またそれですか? 観察じゃなくて“惚れてる”って言うんですよ。」
美月が笑うと、ホームズは珍しく頬をかすかに染めた。
「……惚れる、か。言葉の響きは滑稽だが、確かに論理的に説明のつかない現象だな。」
「つまり、それは“はい”ってことですね?」
「……そう解釈しても構わん。」