あなたと私を繋ぐ5分
「すまないが、今の時間でも資料保管庫の鍵は借りられるだろうか?」
「あ、はい!」
鷺沼の声で我にかえり、美咲は慌てて席を立った。
「申し訳ありません。端末が起動するまで少々お待ちいただけますか?」
慌ててカウンターに設置されたタブレットの電源を入れる。
嫌味のひとつでも言われるかと思ったが、意外にも鷺沼は小さく頷いた。
「悪いな、こんな早くに」
「いえ」
「ダメ元で来たんだが助かった」
素直な言葉が聞こえてきて、思わずタブレットを操作する手が震えた。
「お役に立てたのならよかったです。ではすみません、ご確認いただいた上でこちらにサインを」
タブレットの液晶を鷺沼の方に向けながらタッチペンを差し出す。
鷺沼がサインを書く間に、美咲はキーボックスから該当のキーを取り出した。
「お待たせしました」
「ああ、ありがとう」
大きな手のひらを差し出されて、キーを手渡す。かしゃんと音を立てて、鷺沼の手のひらに収まった。
小さく会釈して、オフィスを出ていく後ろ姿を見つめる。しゃんと伸びた背筋が美しい。
どんなに怖い人なのかと身構えていたため拍子抜けした。
もっとも、誰彼構わず威圧するような人が、エースが集まる企画部の課長になれるはずもないのだが。
これも今日の幸せのひとつに数えてよいだろうか。
「あ、はい!」
鷺沼の声で我にかえり、美咲は慌てて席を立った。
「申し訳ありません。端末が起動するまで少々お待ちいただけますか?」
慌ててカウンターに設置されたタブレットの電源を入れる。
嫌味のひとつでも言われるかと思ったが、意外にも鷺沼は小さく頷いた。
「悪いな、こんな早くに」
「いえ」
「ダメ元で来たんだが助かった」
素直な言葉が聞こえてきて、思わずタブレットを操作する手が震えた。
「お役に立てたのならよかったです。ではすみません、ご確認いただいた上でこちらにサインを」
タブレットの液晶を鷺沼の方に向けながらタッチペンを差し出す。
鷺沼がサインを書く間に、美咲はキーボックスから該当のキーを取り出した。
「お待たせしました」
「ああ、ありがとう」
大きな手のひらを差し出されて、キーを手渡す。かしゃんと音を立てて、鷺沼の手のひらに収まった。
小さく会釈して、オフィスを出ていく後ろ姿を見つめる。しゃんと伸びた背筋が美しい。
どんなに怖い人なのかと身構えていたため拍子抜けした。
もっとも、誰彼構わず威圧するような人が、エースが集まる企画部の課長になれるはずもないのだが。
これも今日の幸せのひとつに数えてよいだろうか。