用済みだと捨てたのはあなたです、どうかおかまいなく~隣国で王子たちに愛されて私は幸せです~
(大切な、人……?)
「ご、ご家族の方ですか……?」
思わずエレインは口にしていた。
「えっと、誰かというのは、まだ教えられないんだ」
気まずそうにそう言うアランの頬がほんの少し赤らんで見え、エレインの心臓はますます激しさを増す。
「立ち入ったことをお聞きしてしまい申し訳ございません。では、お大事になさってください」
早口で言い切ったエレインは、足早に退室した。
胸のざわつきが酷くて、アランの顔をまともに見られなかった。
きっと優しい眼差しをしていたのだろう。
それを向けられるのが自分ではない事実に、エレインの胸が軋む。
(大切な人って、誰? ご家族でないのなら……、――恋人?)
婚約者がいないからといって、恋人がいないとは限らないことに、エレインは今さら気づき呆然とする。
(そう、よね……、あんなに素敵な人だもの、恋人がいない方がおかしいわ)
今まではテオのことがあって疎遠だっただけで、落ち着いてきたから一緒の時間を過ごしているのかもしれないと考えると、胸の痛みが一層増した。
そして同時に、アランに恋人がいることを知ってこんなにも動揺する自分に驚いていた。
(わ、私もしかして……殿下に特別な感情を抱いていたの……?)
エレインは、ようやくそれが恋愛感情だと理解した。
これまで異性との関わりがなかったエレインは、自分のアランに抱く感情は憧れや尊敬からくる単なる好意だと疑いもしなかったのだ。
隣国の王子という高貴な身分にもかかわらず、奢ることなく気安く接してくれるアランの態度に、知らず知らずのうちに舞い上がってしまったんだろう。
片や、侯爵家から勘当され、平民と変わらない自分がアランに恋情を抱くなどあってはならないことだった。
(馬鹿ね……烏滸がましいにもほどがあるわ……)
これ以上苦しまないよう、エレインは自分の思いにそっと蓋をした。
「ご、ご家族の方ですか……?」
思わずエレインは口にしていた。
「えっと、誰かというのは、まだ教えられないんだ」
気まずそうにそう言うアランの頬がほんの少し赤らんで見え、エレインの心臓はますます激しさを増す。
「立ち入ったことをお聞きしてしまい申し訳ございません。では、お大事になさってください」
早口で言い切ったエレインは、足早に退室した。
胸のざわつきが酷くて、アランの顔をまともに見られなかった。
きっと優しい眼差しをしていたのだろう。
それを向けられるのが自分ではない事実に、エレインの胸が軋む。
(大切な人って、誰? ご家族でないのなら……、――恋人?)
婚約者がいないからといって、恋人がいないとは限らないことに、エレインは今さら気づき呆然とする。
(そう、よね……、あんなに素敵な人だもの、恋人がいない方がおかしいわ)
今まではテオのことがあって疎遠だっただけで、落ち着いてきたから一緒の時間を過ごしているのかもしれないと考えると、胸の痛みが一層増した。
そして同時に、アランに恋人がいることを知ってこんなにも動揺する自分に驚いていた。
(わ、私もしかして……殿下に特別な感情を抱いていたの……?)
エレインは、ようやくそれが恋愛感情だと理解した。
これまで異性との関わりがなかったエレインは、自分のアランに抱く感情は憧れや尊敬からくる単なる好意だと疑いもしなかったのだ。
隣国の王子という高貴な身分にもかかわらず、奢ることなく気安く接してくれるアランの態度に、知らず知らずのうちに舞い上がってしまったんだろう。
片や、侯爵家から勘当され、平民と変わらない自分がアランに恋情を抱くなどあってはならないことだった。
(馬鹿ね……烏滸がましいにもほどがあるわ……)
これ以上苦しまないよう、エレインは自分の思いにそっと蓋をした。