人生クレイジー〜俺のプリン食べた?〜





レクリエーションの打ち合わせ時間も終わり、

科目選択の説明を受けている中、

俺は机の下に隠した『月刊メンズファッション誌・tornado《トルネード》』を読んでいる。


だっちんみたいなオシャレを目指して、

日々参考にしている少し厚めな雑誌には、

ファッションのあらゆる情報が詰め込まれていた。


ページを次から次へと捲り、

俺の目はピタリと止まった。


凄くカッコいい服に一目惚れした俺は、

値段を見て固まっている。


税込で一万五千八百円。


いったい、

何着服が買えるんだい?

ブランド物のアウターを深刻そうな表情で睨めっこする俺は、

ただただ雑誌を見つめ、

買うか買わないか逡巡していた。


隣に座っているマチコも俺の悩み苦しむ表情を見て不思議がると、

そっと雑誌を覗き込んで驚愕する。 


俺の読んでいる隣ページには

『誰にも言えないあなたへ、LGBT相談窓口』

と書かれた特設ページ。


口に手を当て、

開いた口が閉まならないマチコは、

動揺を隠しきれていない。


唾を一つ飲み込むと、

頭を抱え込むようにして額を机に押し当てていた。


おそらく今までのことを一通り思い返し、

勘違いを起こしているのだろう。


やたらとスキンシップ多めに肩を組んできたこと、

『マチコ、やっぱり好きだわーー』と言っていたこと、

極め付けは『男が好きだ』と叫んでいたことが確信へと変わった。


湧き上がるポットのように、

煮沸された脳が判断を下す、

りょうちんは男性同性愛者《ゲイ》で間違いないと。
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