人生クレイジー〜俺のプリン食べた?〜



「マチコ、実はさぁ……」



「言わなくていい。知ってるから!」



え?知ってる?

やっぱり、

大学デビューしてるの気づいてたんだ。



「なんだ、気づいてたのか……」



「ああ、言いにくかったよな?ずっと悩んでたんだろ?」



「え?まぁ……」



「心配すんなッ!俺はそんなんでりょうちんのこと嫌いになんてなんないから」



まさかの言葉に涙が出そうになった。


嫌われる予定でいたのに、

想像もしていなかった展開に俺は今、

とてつもなく驚いている。



「え!それ、ホントに言ってる?」



「ああ、俺はりょうちんの友達だからさ」



「マチコ……やっぱりお前、いい奴だなッ!」



俺は知った。

マチコはどこにでも居るヤンキーではない。


人情深く、思い遣りのある優しいヤンキーなんだと。



「ふっ、だから、他の奴には言わなくたっていいから!俺たちだけの秘密にしとけ」



「えっ!何で?」



「そりゃあ、他の奴が俺みたいな奴とは限んねえだろッ!」



マチコの正論に俺は叩き起こされた気分だった。


確かにマチコが言った通りで、

俺を受け入れてくれる人は極わずかだろう。


調子に乗るなって思う人や大学デビューとかダサって思う人の方が多いかもしれない。


俺はマチコの言葉を鵜呑みにした。



「そ、そう……だよな」



「心配すんな、どんな事があろうと俺はりょうちんの味方だから」



「マチコ……ありがとう。俺……マチコのそういう所好きだわ」



「いや!好きにはなるなッ!!友達でいろ」



好きというワードにビクッとするマチコは、

挙動不審な態度を取っている。



「うん?それはそうだけど……急にどうした?」



「いや、その……俺とお前はずっと友達の関係で居ようってことだよ」



マチコがソワソワしながら、

俺にそう言った。


本当は口下手で、

こんなこと言うのは慣れていないんだろうな。


俺のこと受け入れてくれて、

本当の友達になろうとしてくれているんだ。


だから、

マチコが言ってくれた言葉に、

俺は胸がいっぱいで、

マチコという大切な友達を大事にしようと思えた。



「そんなの当たり前じゃん!じゃあ、俺は今まで通り、マチコたちと居てもいいのかな?」



「ふっ、いいに決まってんじゃん!講義始まるし、早く行こうぜ!」



俺のことを急かすように、

マチコは俺の肩を押してくれた。


勘違いしていることなんて知らない俺たちは、

今まで通りに過ごすだけ。


大学デビューと男好き、

そんなこと打ち明けなくたっていい、

俺たちはこれからもこのスタイルを続けていくだけであって、

友情は何も変わらない。
< 35 / 67 >

この作品をシェア

pagetop