魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
家に帰ってココアを飲みながら、ぼーっとカレンダーを眺める。
寝不足の頭では勉強する気もおきないけれど、やはりまだ眠れそうにない。

今日は12月5日。
クリスマスイブまで後19日かぁ~。

なんて、思って。
そこで、初めて気がついた。

……それって、ジャックの余命と同じなんじゃないかってことに。


私はちらりと左手の薬指に目をやった。
指輪はまだ見える。

……でも。

私は首を横に振る。


キョウを頼ってはいけない。

彼は、悪魔で。
魔王様で。

私の願いならなんでも聞く、素敵過ぎるヤツなのだ。

だから。

願いなんて、伝えてはいけない。


私は、戒めるようにぎゅっと、自分の唇を噛み締める。

頬を伝う涙の、理由なんてさっぱり分からなかったけれど。
泣いた方が、楽になれる気がした。


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