魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
……まぁ、そうはいっても。

初めて日本のクリスマスを知った(いや、勘違いしたと言ったほうが正確?)キョウが、子供のようにはしゃいでいるのを見るのも、まぁ、悪くはない。

『最近、百合亜ってなんだか達観してきたよね。母親の貫禄を感じるよ』
というのは、先日笑麗奈から投げられた言葉。

彼女、ダーツの矢のように、私の心にぐさりぐさりと言葉を突き立てていってはにっこり笑っているのだから、若干タチが悪い。

でもさ、いくらクリスマスが本来、キリストの誕生を祝う祭りで。
私の恋人は魔王様だといっても。

そこは私も、現代社会をたくましく生きる現役女子高生。
生まれて初めて「恋人と過ごすクリスマス」を楽しみにするのも悪くないかなぁ、なんて思っちゃっても良いよね、ね?


お願い、神様。
私に楽しいクリスマスを!!

私は無邪気にそう祈った。

そう。
悪魔と付き合っているのも忘れて、思わず。
神様にそう、祈っていたの。
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