白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 彼女は昔からずっとそばにいてくれているから、一から伝えなくてもいいのが本当に楽。
 持つべきものはなんとかっていうものね。

 他にいる使用人の二人が敵というわけではないのだけど、何分人手が足りてないから前回もそうだけど接点がないのよね。

 味方につけようにも、仕事量が多すぎちゃって。

「ああ、でも……そういう系より、かなりの最悪系だから注意してね」
「うわー。さすが旦那様が選んだ結婚先ですね。お察しですわ~」

「本当よ。まったくいつも通りすぎて、一人ではどうしようもなかったの。だからとにかくまずは環境整備が最優先。いろいろやることはあるけど、この汚さだけは耐えれなくて」
「了解しました~。さっさと片付けちゃいましょう」
「お願いね」

 私とミーアは手分けして急ぎ掃除を始めた。

 もちろん夜までかかっても屋敷の全てが綺麗になるなんてことはなく、あっという間に一日が過ぎていった。


     ◇     ◇     ◇


 私の部屋に二人で戻る頃には、もう他の使用人たちは寝静まるような時間になっていた。

「いやー。あれだけ二人で掃除しても掃除しても全然綺麗にならないってすごいですね~。どんだけ年季入ってるんですか、汚さに」
「あはははは。汚さに年季って」
「だって本当ですよ~? 何年放置したら、あんなになるんですか?」

 ミーアはそんな文句を言いながらも、部屋に戻って来るなり私のために紅茶を準備してくれていた。

 ここに来て、誰かにこんな風に扱われたのは初めてかもしれない。
 いつも何をするにも自分一人だけ。

 元々実家でもそんなに使用人たちをはべらせていたわけではないから、ある程度は自分のことは自分でできるけどココではその比ではなかった。

 仕事の範囲を超えているし……。
 まぁ夫と義母からしたら、嫁に来た私はタダ働させてもいいだけで、使用人よりも使える存在なのかもしれないけど。

 私からしたら冗談ではないわ。
 ただご飯さえ与えておけば、何でも許されると思ったら大間違いよ。

「まぁ確かにね。ごめんねミーア。初日から大変だったでしょう」
「あははは、そうですね。コレはさすがに強烈でしたわ~。仮にも貴族のお屋敷なので、ココまで酷いとは思ってもみませんでしたよ」

「でしょうね。うちなんかより、汚くって」
「それもそうですが、屋敷自体もかなりな劣悪具合でびっくりしちゃいました。手入れされてないから、老朽化(ろうきゅうか)が半端ないですね」

 ミーアは私の前にティーカップを置いたあと、自分の分も注いで向かい側へ座った。
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