風が冷たくなる頃に
15時。
クリスマスツリーの下で。

サナは電車に乗った。
駅の構内は人で溢れかえっている。
大きなツリーの前にも、待ち合わせや写真を撮る人が集まっていた。
ざわめきの中で、サナは立ち止まる。

――見つけられるかな。
いや、見つける。
言いたいことも、聞きたいことも、たくさんある。
ここまで来たなら、もう会わない理由はない。
この場所を選んだ意味を、信じたい。

そして――

「……見つけた。」

雑踏の中から聞こえたその声。
3年ぶりの、懐かしい声だった。

サナは振り返る。
そこに、彼がいた。

一歩、また一歩。
近づきながら、彼女は小さく笑った。

「……遅いよ。」
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