Reunion love.
「…いや、うーん。そもそも俺等縒り戻して上手くいくって本気で思ってんの?」

「そんなのなってみなきゃわかんない。でも、もう高校時代と同じことはしない。誰にも太一くんが好きだって隠したりしない」


 太一くんを真っ直ぐ見て伝えると、少しだけ照れた様な表情をして首の後ろに手をやって顔を逸らしていた。その仕草は高校の時よく見た事がある。少し照れたり恥ずかしい事があると、よくやってる。

 変わったところも大分あったけど、変わらない部分もきちんとあるのが嬉しかった。


「…勝手にすればいいんじゃないの。純花の気持ちに対して俺が何かを言う権利は無いし…」


 そう言いながら背を向けて歩き出してしまう。


「あ、太一くんが追っかけてきたのに、勝手に帰るの酷い」

「もう用事済んだし。てか腕掴んでくんな。距離近い。友達の距離保って」

「友達じゃなくて好きな人、なので」

「良いキャラしてんな。いつからそうなったわけ、純花」

「10年も経てば変わりますから」

「出た、それ」


 このまま2人で同窓会には戻らず一緒に駅の方に向かった。

 当然太一くんは私を送るなんてことはしないし、これも今まで通りだ。だけど、一緒に歩いている時、ほんの少しだけいつもより私の事を意識している気がした。

 せめて今夜だけでも私の事で頭がいっぱいになってくれたなら、無駄じゃなかったと思うし、言って良かったと思う。

 間違った方向に進もうとした私の事も、逃げた私の事も止めてくれて、その上で受け止めてくれる太一くんには感謝しかない。
< 29 / 117 >

この作品をシェア

pagetop