Reunion love.
「連絡先交換しない?もう私の連絡先なんて持ってないでしょ?」

「持ってない」


 スマホを取り出してQRコードを出す太一くん。それを読み取りメッセージアプリの中に連絡先が追加される。

 真澄 太一とフルネームで、アイコンは星空の風景写真だった。特に誰かと写っているとかそんな様子は無い。

 もしかしたら私とこうして2人で飲んでいるし恋人とか、そう言った存在はいないのかもしれない。太一くんはきっと好きな人や恋人がいる状態で異性と2人で飲みに行くのを嫌がると思うから。


「てかちゃんと食ってんの?健康そうに見えねぇんだけど」

「最近は…、出前頼んだり、仕事してて忘れたり」

「食うの忘れるとか信じらんな」

「納期ぎりぎりだとつい…」


 太一くんが溜息を吐いてこちらに頬杖を付いてみてくる。


「時々なら飯誘うから、その時はちゃんと食えよ」

「え?」

「普通に死にそうな顔した奴放置して本当に死なれたら後味悪い」

「死なないよ!」


 太一くんらしい言い方に少し笑って、かなり不器用だけど優しさが見え隠れしているのが好きだったりする。


「ご飯、楽しみにしてる」

「楽しみにすんなよ。純花が自分で何も言わずきちんとご飯食ってたら問題無いんだから」

「そうだけど、友達とご飯できるのは嬉しいし楽しみだよ」


 そう話す私にやりづらそうな顔をして、お酒を飲み干すと席を立ちあがる。


「帰り、もう終電ないしタクシーで帰れよ。ここは払っとくから」

「え…、いや、いいよ。払うよ」

「いいよ、俺が連れ込んだし。その分タクシーにあてて」


 そう言ってレジに向かって行ってしまった。

 まさかの再会に思わぬ接点が出来て、思わず頬が緩む。もし太一くんが私を好きじゃなかったとしても近くに居られるだけでも嬉しい。
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