始まりは一夜の出会いから
「まだ眠くても用意しないと遅れちゃうよ」

「…行きたくない」

「行ったら今日の夜ご飯の後のデザートはプリンあるよ」

「…じゃあ、行く」


 起き始めた汯と新くんを無視して、ずっと優菜は駄々を捏ねていたのだけど、夕飯のデザートに釣られてくれたらしく、のそのそとゆっくりベッドから出る。

 まだこうやって何か頑張る目標があれば動いてくれるのだけど、優菜は本当に気分屋でこれに苦労することもある。

 リビングに戻ると2人は既に朝食を食べ始めていて、汯はまだ眠たそうな表情でうとうととしている。その時の姿は、若干新くんに似ているの可愛いのだけど。

 写真を撮りたい欲求を抑えて、優菜も自分の席に座らせ手を合わせて「いただきます」とご飯に手を付けていた。

 私も優菜の隣に座っていただきますとご飯を食べ始めると、毎朝こんな風に4人揃っての朝食の時間が始まる。


「次の週末結局どこ行きたいか決めた?」

「どうぶつえん!」


 優菜の元気の良い声に汯は特に何も言わず、うんうんと首を縦に振っている。昨日2人で仲良くどこに行きたいかなんて話して、最初は遊園地なんて言っていたのだけど、結局動物園に変わったらしい。


「動物園か、雨降んないといいな」

「僕、てるてる坊主の作り方わかるよ」

「優菜も作る!」


 穏やかな汯に対して優菜が元気いっぱいに答えているのが2人共真逆で可愛らしい。


「そっか、じゃあ吊るしてお祈りしておこうな」


 新くんも毎週公園に遊びに行くか、こうしてどこか遠出もしてくれているから子供達は大はしゃぎしている。

 新くんと少し顔を見合わせると、2人で少し笑って、今日も平和で穏やかだなんて実感をした。


 きっといつまでも、こうして家族で仲良く暮らせる。
 その確信はずっとずっと変わっていない。




𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸
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