始まりは一夜の出会いから
「あ、あの、佐々木さん!この手は…?」

「有咲さん、今日はデートです。手ぐらい繋ぐのが普通ですよ」

「お付き合いしている訳じゃないのにですか?」

「今日はお付き合いしている設定でお願いします」


 そう言いながら笑って歩くのを止めてくれない。

 私は友達と遊びに行く感覚で来たのに佐々木さんは恋人として接するためにここに来ていた。

 迂闊にこのデートに応えるべきでは無かったのかもしれない。

 このままもし好きになって引き下がれなくなってしまったら…。

 怖かった、また裏切られるかもという気持ちとこの人を好きになってしまいたいの気持ちに挟まれて、そう思っているのにこの手を払う事が出来ない。
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