始まりは一夜の出会いから
 それから3ヶ月程、特に喧嘩もなく順調に交際を続けていた。

 カフェでいつもの様にランチをしていると美月に質問される。


「喧嘩とかしないの?2人」

「うーん、喧嘩はほとんどないなあ」


 新くんが私に甘すぎるのもあるけど、私も新くんに怒りたい事は無い。強いて言えばいつまで敬語なんだろう、新くんはとたまに少し思うくらい。別に文句は無いけど、どうしても壁を感じて、少し寂しい。

 そんな小さなことを感じるけれど、喧嘩するほどでもないことだ。


「羨ましい。聖となんて常に喧嘩してるのに私」


 美月はこの3ヶ月の間に、新くんの先輩、深瀬 聖さんとお付き合いをしていた。

 いつの間にか順調に恋を育んでいたらしく、今も仲良く交際をしているらしい。交際してすぐに喧嘩というのも、何となく美月らしいけれど。

 美月は思った事を言って解決しないと気が済まないタイプだけど、深瀬さんは波風立てないで居たいタイプらしく、いつも何も言ってくれない深瀬さんに腹が立つ時もあるそう。

 カップルによって、全く事情が違うから相談されても大した事は言えず、申し訳なく思いつつもいつも美月と深瀬さんの話を聞いていた。

 話を聞いていても、どちらが悪いとかじゃなくて、価値観とか性格の不一致でぶつかり合うのは仕方ない事の様な気がした。
< 75 / 140 >

この作品をシェア

pagetop