僕と影~生首に出会う
05.檸檬
「わーーーーっ」
僕は慌てて近くの木によじ登り、ブロック塀の向こうを覗きこむ。
生首がごろんと転がって悲鳴を上げていた。
「ど、どうしよう?」
「放っておいて帰ろうぜ」
「うるさくて近所迷惑じゃない?」
「それならそれで、この家の家人がどうにかするさ。爆弾じゃないんだし」
爆弾? 首を傾げる僕に「でも」と、ブロック塀の上に飛び乗ったメブキさんが呟いた。
「生首はどうなるのかしら。悪霊だとしたら同類を寄せてこない?」
「……そうかも」
影が嫌そうに生首を覗き込む。
「はー、迷惑な首だよ」
するり、するり、影が伸びた。
生首が目を見開いて黙る。
影は生首を掴んで僕の足元に戻ってきた。
「影、大丈夫そう?」
「今のところは。こいつの影を押さえつけているから、悪さはできねえよ」
「どうなさるの、それ。連れて帰ったら坊やの母君が驚くでしょう?」
「うーん……本屋にでも置いておこうか」
やっと僕は梶尾基次郎の話をしているのだと気づいた。
さっき国語の授業で先生が話していた。
檸檬じゃなくて生首だし、本当に爆発して悪霊を呼び寄せるかもしれないけど。
「あなたの生きていた時代だと、討ち取った首はどうしていたの?」
「塩漬けにして瓶に……そ、それがしは生きておるゆえ!! 塩漬けは勘弁願いたく!!」
生首が叫んだ。
僕は慌てて近くの木によじ登り、ブロック塀の向こうを覗きこむ。
生首がごろんと転がって悲鳴を上げていた。
「ど、どうしよう?」
「放っておいて帰ろうぜ」
「うるさくて近所迷惑じゃない?」
「それならそれで、この家の家人がどうにかするさ。爆弾じゃないんだし」
爆弾? 首を傾げる僕に「でも」と、ブロック塀の上に飛び乗ったメブキさんが呟いた。
「生首はどうなるのかしら。悪霊だとしたら同類を寄せてこない?」
「……そうかも」
影が嫌そうに生首を覗き込む。
「はー、迷惑な首だよ」
するり、するり、影が伸びた。
生首が目を見開いて黙る。
影は生首を掴んで僕の足元に戻ってきた。
「影、大丈夫そう?」
「今のところは。こいつの影を押さえつけているから、悪さはできねえよ」
「どうなさるの、それ。連れて帰ったら坊やの母君が驚くでしょう?」
「うーん……本屋にでも置いておこうか」
やっと僕は梶尾基次郎の話をしているのだと気づいた。
さっき国語の授業で先生が話していた。
檸檬じゃなくて生首だし、本当に爆発して悪霊を呼び寄せるかもしれないけど。
「あなたの生きていた時代だと、討ち取った首はどうしていたの?」
「塩漬けにして瓶に……そ、それがしは生きておるゆえ!! 塩漬けは勘弁願いたく!!」
生首が叫んだ。