僕と影~生首に出会う
08.鏡
熱心に地図を見る生首はそのままにして、僕は宿題に戻った。
なんとか終わらせた頃に影が起きてきて僕の手を引っ張った。
「なに?」
影が僕の体を這って、耳元でささやいた。
「静かに。返事はしなくていいから、姿見を見ろ」
なんだろう。音を立てないように振り返ると、椅子に座った僕と影。勉強机と引き出しの棚が映っている。
影を見ると、耳元でまたひそひそささやいた。
「あいつ、映ってないだろ」
「……ほんとだ」
「今までお前が会ってきた中で、鏡に映らなかったのは?」
「えっと、悪魔とお化けとドラキュラ、あやかしは人による」
「しかし、あいつには影はあった」
「……悪魔かお化け、あやかし」
「そういうこった。少なくとも人間ではない」
「人間は首だけじゃ動けないから」
「それはそうだ」
僕と影は生首を見つめた。
「おや、しくだいとやらは終わったかな?」
「うん。地図帳、まだ見る?」
「いや、もうけっこうにござるよ。どうにかして生まれ故郷に戻りたくはあるがなあ」
匝瑳市に行きたいという生首の希望を影に話した。
影は頷いたけど、いい案はないみたい。
僕はランドセルをひっくり返して、明日の用意をする。
なんとか終わらせた頃に影が起きてきて僕の手を引っ張った。
「なに?」
影が僕の体を這って、耳元でささやいた。
「静かに。返事はしなくていいから、姿見を見ろ」
なんだろう。音を立てないように振り返ると、椅子に座った僕と影。勉強机と引き出しの棚が映っている。
影を見ると、耳元でまたひそひそささやいた。
「あいつ、映ってないだろ」
「……ほんとだ」
「今までお前が会ってきた中で、鏡に映らなかったのは?」
「えっと、悪魔とお化けとドラキュラ、あやかしは人による」
「しかし、あいつには影はあった」
「……悪魔かお化け、あやかし」
「そういうこった。少なくとも人間ではない」
「人間は首だけじゃ動けないから」
「それはそうだ」
僕と影は生首を見つめた。
「おや、しくだいとやらは終わったかな?」
「うん。地図帳、まだ見る?」
「いや、もうけっこうにござるよ。どうにかして生まれ故郷に戻りたくはあるがなあ」
匝瑳市に行きたいという生首の希望を影に話した。
影は頷いたけど、いい案はないみたい。
僕はランドセルをひっくり返して、明日の用意をする。