家族に裏切られ全てを奪われた私は、辺境地に住む強くて心優しい彼に出逢い、沢山の愛と優しさに触れながら失ったモノを取り戻す
 暫く三人で会話をしていたもののリリナがエリスの話題に飽きてきたのか、部屋へ戻ると一人船内へ向かって行く。

 残されたアフロディーテとシューベルトは再び会話を再開させたのだけど、二人の会話から更にとんでもない事実を知る事になる。

 そして、その事実を知ったギルバートは、より一層エリスを守らなければという思いを強くした。

 もっと探りを入れたかったギルバートだったが、見張り兵として別の仕事を頼まれてしまった為、新たな持ち場へ就く事へ。

 そして、日が落ちて辺りも暗くなり始めた頃、自身の為に配給された食料を持ってエリスの元へ向かって行った。

「なかなか顔を出せなくて悪かった。変わった事は無かったか?」
「ギルバートさん……。はい、大丈夫でした」

 狭く暗い空間に一人残されていたエリスは心に不安な気持ちを抱えていたものの、ギルバートが顔を見せてくれた事でその不安は一気に吹き飛び笑顔になる。

「お仕事の方、大丈夫なんですか?」
「ああ、交代で休憩を取る事になっているから問題無い」
「そうですか。それで……何か、分かりましたか?」

 エリスのその質問にギルバートはどう答えるべきか一瞬言葉を詰まらせる。

 全てを包み隠さずに話してしまう方がいいのかもしれないが、この後また彼女の傍を離れなくてはならない事を考えると、それは今では無いような気がしたギルバートは、

「いや、流石に奴らも警戒しているのか、大した話をしてはいなかったから特に収穫は無かった」

 大した情報が得られなかったと嘘を吐いた。
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