家族に裏切られ全てを奪われた私は、辺境地に住む強くて心優しい彼に出逢い、沢山の愛と優しさに触れながら失ったモノを取り戻す
「話しておきたい、事?」
「ああ。まずはそこに座ってくれ」
「……分かり、ました」

 話があると深刻そうな表情で言われたエリスはただならぬ予感を感じつつもベッドに腰掛けると、ギルバートはエリスの正面に椅子を持って来て座り、こう前置きをした。

「――これから話す事は、昨日、シューベルトとアフロディーテの二人の会話から読み取ったもので、全てを知る事は出来なかったんだが、そこから俺の憶測した部分もある。恐らくお前にとっては辛い内容になるかもしれないが、聞いて欲しい」

 そんな風に言われたエリスは戸惑いの色を浮かべたものの、小さな深呼吸をしてから真っ直ぐギルバートを見据え、

「分かりました、話してください。どんな内容でも、最後まで聞きます」

 覚悟を決めて、ギルバートの話を聞く事にした。

「――まず初めに、お前の父親についてだ」
「お父様の?」
「ああ。お前の父――ルビナ国王は流行り病で亡くなったのでは無い」
「……え?」
「……国王は、殺されたんだ。後妻であるアフロディーテと、その恋人関係にある宰相のエルロットによってな」

 ギルバートの話は開始から衝撃的なものだった。

 まさか、父親であるタリムの死が病では無く、彼を愛していると思っていたアフロディーテの手によって行われたものだったという事に。

「……そんな……っ、どうして……っ」

 父親の死の真相を知ったエリスは深く動揺し、怒りと悲しみから身体が震えだしていた。
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