婚約破棄されたので、好きにすることにした。王城編
アリーシャが、宿は貴族専用のものを利用するようにと言ったのは、こんなことも関係しているのだろう。
ふたりが案内されたのは、二階の奥にある広い部屋だった。
スイートルームのような室内は、寝室にダイニングルーム。リビング。そして、バスルームもあった。
「すごい、お風呂まである」
部屋の中を見て回っていたクロエは、そう歓声を上げた。
どうやら貴族専用の宿の中でも、特別室のようだ。
(さすが、マードレット公爵家……)
寝室にはベッドがふたつあり、それを見たエーリヒが、少し残念そうな顔をする。
「ベッドがあまり良くないな」
「え? そうかな?」
座ってみるとかなりふかふかで、寝心地も良さそうだ。
「ほら、気持ちよさそうだよ」
そう言って転がってみると、予想以上に体を包み込む柔らかさに、うっかり目を閉じてしまいそうになる。
「これ、すごい」
「前の家のベッドの方がよかった」
柔らかさを堪能するクロエに、エーリヒはぽつりとそう言う。
たしかに彼は、以前ふたりで住んでいた家で使っていたベッドが、とても気に入っていた。
「あのベッド、アイテムボックスにしまってあるから、またいつでも使えるよ?」
「それはわかっているが……」
クロエはベッドから起き上がって、エーリヒを見た。
やはり彼にとって貴族の生活は、窮屈なものなのかもしれない。
だからこそ、自由だったあの家に戻りたくなるのでは。
エーリヒは大丈夫だと言ってくれたけれど、どうしてもそう思ってしまう。
「……エーリヒ」
何とか元気付けたくて、クロエは言葉を探す。
ふたりが案内されたのは、二階の奥にある広い部屋だった。
スイートルームのような室内は、寝室にダイニングルーム。リビング。そして、バスルームもあった。
「すごい、お風呂まである」
部屋の中を見て回っていたクロエは、そう歓声を上げた。
どうやら貴族専用の宿の中でも、特別室のようだ。
(さすが、マードレット公爵家……)
寝室にはベッドがふたつあり、それを見たエーリヒが、少し残念そうな顔をする。
「ベッドがあまり良くないな」
「え? そうかな?」
座ってみるとかなりふかふかで、寝心地も良さそうだ。
「ほら、気持ちよさそうだよ」
そう言って転がってみると、予想以上に体を包み込む柔らかさに、うっかり目を閉じてしまいそうになる。
「これ、すごい」
「前の家のベッドの方がよかった」
柔らかさを堪能するクロエに、エーリヒはぽつりとそう言う。
たしかに彼は、以前ふたりで住んでいた家で使っていたベッドが、とても気に入っていた。
「あのベッド、アイテムボックスにしまってあるから、またいつでも使えるよ?」
「それはわかっているが……」
クロエはベッドから起き上がって、エーリヒを見た。
やはり彼にとって貴族の生活は、窮屈なものなのかもしれない。
だからこそ、自由だったあの家に戻りたくなるのでは。
エーリヒは大丈夫だと言ってくれたけれど、どうしてもそう思ってしまう。
「……エーリヒ」
何とか元気付けたくて、クロエは言葉を探す。