【完】ハルくんの、かくしごと。
結局、最初から最後までずっと優しい柳くん。
『学校で会っても、普通に喋ろう。友達に戻ろう』
「…わ、かった」
柳くんは『おやすみ』と言って、電話を切った。
柳くん、ごめんね。
あと、ありがとう。
目を瞑ると、柳くんの笑顔が浮かび上がる。
「…はぁー」
柳くんの話、難しかった。
“大事にしてるようで大事にしてない”って。
一体、誰のことなんだろう。 私?ハルくん?それとも全部?
結局、“好き”ってなんなんだろう。
“恋”ってどんな感じなんだろう。
日常がキラキラして見えること? 些細なことで胸が高鳴ること? 一緒にいるだけでドキドキすること?
私には分からない。
分からないからこそ、ハルくんの隣にいる安心を“恋じゃない”って切り捨ててしまう。
それが正しいのかどうかも、分からない。
私は結局、自分の気持ちを言葉にできない。
“好き”の正体を探すことすら諦めてしまう。
ただ、胸の奥に残るのは―― 柳くんの涙と、ハルくんの唇。