きみの春に、溶けていく
4. 雪化記憶症候群
夏休みが終わり秋になった。
ROOTSはテレビでも街でも大人気になり、”第2のbihuka”として、まいにち大忙しだった。
「新曲、今度の学祭で披露するんでしょ」
「あぁ、bihukaさんからも昨日メール来たな。学祭はこっちにもどるとしても、最近はもう東京にいる時間のが長いし、少し早いけど、施設出て向こうに住むか?高校の卒業とか 色々手続きは事務所の人がやってくれるらしい」
「え……!? それって二人で?」
「まぁ、それぞれの部屋があれば僕はいいと思ってるけど、灯は困るか?」
いやいや、世の中ではそれを同棲というような……
もしかして、気のせい???
「気のせいではないな」
「え、今の聞こえてた?!」
「あぁ。でも記憶のこともあるし、灯になにかあった時そばで守ってやれる存在でいたいんだ」
「う、うん。少しだけ考えてみるけど、私ももうここに暮らすのは難しいかなって思ってた。歌手ってどこでいつ誰に見られてるか分からないから。記憶のことを悪く言われたくないの。朔と普通の歌手でいたいから」
「じゃあ決まりだな」
「うん」
あ、そうだと思い出したように朔が言った。
「精神科の方、東京でも見て貰えるようにもう一度行こう」
「うんわかった」
「紹介先は晴さんが勤めてる病院、受け入れてくれるって」
「治るのかな……」
「何もしなきゃ、きっと治らない。だから前に進もう、灯」
朔が伸ばした手を握って握手して応えた。
嫌そうに見てる同級生たちもいたけれど、私はもう気にしていなかった。
ROOTSはテレビでも街でも大人気になり、”第2のbihuka”として、まいにち大忙しだった。
「新曲、今度の学祭で披露するんでしょ」
「あぁ、bihukaさんからも昨日メール来たな。学祭はこっちにもどるとしても、最近はもう東京にいる時間のが長いし、少し早いけど、施設出て向こうに住むか?高校の卒業とか 色々手続きは事務所の人がやってくれるらしい」
「え……!? それって二人で?」
「まぁ、それぞれの部屋があれば僕はいいと思ってるけど、灯は困るか?」
いやいや、世の中ではそれを同棲というような……
もしかして、気のせい???
「気のせいではないな」
「え、今の聞こえてた?!」
「あぁ。でも記憶のこともあるし、灯になにかあった時そばで守ってやれる存在でいたいんだ」
「う、うん。少しだけ考えてみるけど、私ももうここに暮らすのは難しいかなって思ってた。歌手ってどこでいつ誰に見られてるか分からないから。記憶のことを悪く言われたくないの。朔と普通の歌手でいたいから」
「じゃあ決まりだな」
「うん」
あ、そうだと思い出したように朔が言った。
「精神科の方、東京でも見て貰えるようにもう一度行こう」
「うんわかった」
「紹介先は晴さんが勤めてる病院、受け入れてくれるって」
「治るのかな……」
「何もしなきゃ、きっと治らない。だから前に進もう、灯」
朔が伸ばした手を握って握手して応えた。
嫌そうに見てる同級生たちもいたけれど、私はもう気にしていなかった。


