君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
「先生、放課後の教室でなにやってたの?」
「補習の生徒達待ってたんだが、うとうとと・・・」

俺は自分の口調が崩れていることに気がついて慌てた。
そしていつも通りの丁寧な話し方に切り替えた。

「小林さんも、補習でしたか?」
「ううん。忘れ物を取りに来ただけ」

「そうですよね。確か小林さんは、数学得意でしたね」
「まあ、それなりに・・・。ねえ、先生」

「はい?」
「今日、もうみんな来ないかもよ」

「何故ですか?」

小林さんは返事の代わりに黒板を指差した。
黒板を見ると、片隅に、


  
  先生へ
 先生寝てるから帰ります!



と書かれていた。


「あいつら、、、逃げやがった」
「プハッ!はははは!
先生が寝てるからだよー。
気付かないなんて、先生、呑気ー」

けたけたと笑う小林さんをじとーっと見つめつつ、
「そういう小林さんは部活行かなくていいのですか?」
と尋ねる。

「やばっ!」

そういうと小林さんは走って教室から出て行った、、、と同時に戻ってきて、
「忘れ物を取りに来て、持っていくのを忘れた!」

「忘れたって!ぷはっ!あははははは!」
「笑いすぎー!先生助けて忘れたんだからね!」
恥ずかしそうに、笑う彼女は可愛らしく、おもしろかった。

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