君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
7歳差の壁
コンコンコン。
学年末試験が終わった後の放課後。
数学教師室のドアがノックされ、女生徒が一人で入って来た。
「浅倉先生いらっしゃいますか?」
「三橋さん?」
三橋さんは小林の友人で同じバレー部。小林がはっちゃんと呼ぶ子だ。
俺にも気軽に話しかけてくる明るい生徒の三橋さんが、怒ったような真剣な顔をして俺の前に立った。
「先生。質問があるんですけど、いいですか?」
「はい、もちろん。
どの問題ですか?」
「・・・指導室か、他の教室がいいんですけど」
三橋さんが何人かいる他の数学教師にちらりと目を向けた。
数学で分からない問があったのかと思ったが、どうやら違いそうだ。
小林さんのことで何か相談があるのだろうか?
「いいですよ。
それでは、どこか空き教室で話しましょうか」
そう言って二人で教室を出た。
並んで歩いている間、いつもおしゃべりな三橋さんが何も話さない。
開いてる教室はたくさんあったが、三橋さんは入らない。
仕方なく、無言のまま二人で廊下を歩いた。
窓の外から微かに聞こえる、運動部の掛け声。
金属バットにボールが当たる高音。
吹奏楽部のトランペットの音。
「三橋さん、部活に行かなくていいのですか?」
「・・・・・」
「僕に話があるんですよね?」
「・・・・・」
「小林さんのことですか?」
三橋さんが立ち止まった。
俺は一人で数歩先に進んでいた。
立ち止まって振り返る。
真っ直ぐに見つめる三橋さんは、その目に怒りを滲ませていた。
「すみません。廊下で話すことではなかったですね?」
俺は卒業した3年生の教室のドアを開けた。
廊下に立ったままの三橋さんを置いて、中に入って生徒の机を4つ移動させて、面談座りのようにした。
もし誰かがのぞいたとしても誤解されないような座り方だ。
女生徒と二人、放課後の教室にいるのだから、このくらいのリスク回避はしておかなくてはと思った。
同時に、小林に対して全くリスク回避をしていない行動を顧みた。
普通、担任でもない一生徒のために何度もお見舞いになんて行かないし、学校外で会ったりもすることはないだろう。
「さ、座ってください」
廊下に顔をだして、三橋さんを呼んだ。
そして、三橋さんと対角になるように席に着いた。
「それで、僕に質問って何ですか?」
学年末試験が終わった後の放課後。
数学教師室のドアがノックされ、女生徒が一人で入って来た。
「浅倉先生いらっしゃいますか?」
「三橋さん?」
三橋さんは小林の友人で同じバレー部。小林がはっちゃんと呼ぶ子だ。
俺にも気軽に話しかけてくる明るい生徒の三橋さんが、怒ったような真剣な顔をして俺の前に立った。
「先生。質問があるんですけど、いいですか?」
「はい、もちろん。
どの問題ですか?」
「・・・指導室か、他の教室がいいんですけど」
三橋さんが何人かいる他の数学教師にちらりと目を向けた。
数学で分からない問があったのかと思ったが、どうやら違いそうだ。
小林さんのことで何か相談があるのだろうか?
「いいですよ。
それでは、どこか空き教室で話しましょうか」
そう言って二人で教室を出た。
並んで歩いている間、いつもおしゃべりな三橋さんが何も話さない。
開いてる教室はたくさんあったが、三橋さんは入らない。
仕方なく、無言のまま二人で廊下を歩いた。
窓の外から微かに聞こえる、運動部の掛け声。
金属バットにボールが当たる高音。
吹奏楽部のトランペットの音。
「三橋さん、部活に行かなくていいのですか?」
「・・・・・」
「僕に話があるんですよね?」
「・・・・・」
「小林さんのことですか?」
三橋さんが立ち止まった。
俺は一人で数歩先に進んでいた。
立ち止まって振り返る。
真っ直ぐに見つめる三橋さんは、その目に怒りを滲ませていた。
「すみません。廊下で話すことではなかったですね?」
俺は卒業した3年生の教室のドアを開けた。
廊下に立ったままの三橋さんを置いて、中に入って生徒の机を4つ移動させて、面談座りのようにした。
もし誰かがのぞいたとしても誤解されないような座り方だ。
女生徒と二人、放課後の教室にいるのだから、このくらいのリスク回避はしておかなくてはと思った。
同時に、小林に対して全くリスク回避をしていない行動を顧みた。
普通、担任でもない一生徒のために何度もお見舞いになんて行かないし、学校外で会ったりもすることはないだろう。
「さ、座ってください」
廊下に顔をだして、三橋さんを呼んだ。
そして、三橋さんと対角になるように席に着いた。
「それで、僕に質問って何ですか?」