君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・

イビキはダメだろう笑

「ぐーーーーーー・・・ぐーーーーーー・・・」

くすくすくすくす。
ひそひそひそひそ。

教室の中がザワついている。

元気のよいイビキも響いている。

俺はそれらを無視して黒板に数式を書き説明をした。
そう、いつものように穏やかに、かつ理解かりやすいように・・・。

「この直線l に関する点Aの対称点・・・」
「ぐーーーーーー・・・・ごっ」

ぷーーーーー!
くっくっくっくっ。

「対称点A'の・・・はぁ」

イビキが大きすぎて流石に放っておけないだろう。
後方に座る騒音の主、小林さんへ近づいた。

「(やばいって!起きなよっ!)」
隣の席の生徒がつつきながら小声で呼び掛けるも、小林さんは教科書の影に隠れるように熟睡していた。

両手で教科書を持ってはいたが、本が倒れてしまっていて全く隠れていない。

まあ、隠れる云々の前にそのはっきりとしたイビキでバレバレなんだが。

小林さんの横に立つ。
「(あぁ~~~~~)」
起こそうと試みていた隣の生徒が目を覆った。

「小林さん」
「・・・すーーーーーーー」

「小林さん、小林さん」
コンコンと机をノックしながら呼び掛けた。

「ん・・・・」
んーじゃねぇよ。

「小林さん、起きてください」
「んー・・え?あ!やば!」

がばっ!
やっと小林さんは起き上がった。

「そうですね、やばいです」
「あの、えっと、、、すみませんでした」

「寝るなら静かに寝てくださいね。
うるさすぎですよ」

「え?うるさい?」
キョトンとする小林さんを一睨みして教卓に戻る。

「はい、静かにー」
けたけたとした笑い声を諌めて、教卓から生徒達を見渡した。

小林さんは姿勢をただして俺をじっと見つめていて、目があった。
眉を下げ、肩を竦めてみせた。
ごめんなさいという意味だろう。

小林さんに向かってニッコリと微笑んで、
「ではもう一度説明しますね」
と言うと、小林さんは目を見開いて背を仰け反らした。

怯える小林さんに少し笑いそうになりながら、授業を再開した。

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